私ども株式会社フッコーは1955年に左官材メーカーとして創業いたしました。
もとは着物の染色業を営んでおりましたが、戦後の日本を、そして首都東京を復興しようという創業者の想いが社名に込められ(旧社名:東京福幸壁材工業)、染色業から壁材製造業へと事業を変え現在に至ります。
1973年に多様な建築様式へと変化する市場に合わせ発売したマヂックコートを代名詞とし、それ以降、建築家の皆様のご要望をもとに製品を開発し、日本の数多くのプロジェクトへ参加させていただき今に至ります。
「多彩な建築表現、原点は素材です」
をブランドメッセージに、素材を吟味し、塗り味にこだわり、建築家の皆様のイメージを実現すべく基本ラインナップにさらにアレンジを加えるなど、プロジェクトコンセプトに合わせたオリジナリティあふれるプロダクトを常にご提案しております。
さて2023年末に「梓設計様」の皆様にご参加いただき、案内役として弊社代表の杉山、営業担当課長の内海、東京営業所長の中込フッコー3名とともに、弊社の製品を納入した都内の代表作を見学するツアーを実施いたしました!
「フッコー仕上げ見学ツアー」のコンセプトは、最新の商業施設から30年経過した建築物まで、製品のご紹介はもちろんのこと、製品の活かし方や収まり、湿式建材の注意点、また経年変化が見せる建物と素材の良さがいかにマッチしていくかなどを実際にご覧いただくことで、今後の設計業務における素材選択のお役に立てていただくのが目的であります。事前に許可が必要な建物なども含まれ、弊社にとっても大変貴重な体験となりましたので、ご報告いたします!
まず最初は最近オープンした話題の「麻布台ヒルズ」からスタート!
「麻布台ヒルズ」は「Modern Urban Village」緑に包まれ、人と人をつなぐ「広場」のような街、都市の豊かさを世界へと発信する世界的に注目されている当プロジェクトの共用部やショップなど随所にフッコーの特殊左官材や特殊塗装材が納入されております。
マヂックコートインテリア
https://www.fukko-japan.com/products/magic-coat-in.html
MORART
https://www.fukko-japan.com/products/morart.html
ベネチアート
https://www.fukko-japan.com/products/venetiart.html
麻布台ヒルズの柱型(マヂックコートIN特注仕様)、店舗(MORART、ベネチアート)を見学する皆さま
麻布台ヒルズにまだ伺っていなかった方もいらして、とても良い機会となりました。「マヂックコートIN特注仕様」、そしてヒルズ内のショップには家具や什器、床・壁・天井、水回りに使用でき仕上げの可能性を超え左官の世界を大きく変えた「MORART」、そしてイタリアンスタッコの代表製品でもある「ベネチアートシリーズ」のダイナミックな柄が特徴のスパチュラパターンが使用され、最新のデザインで煌びやかに演出された空間のなか、それぞれの質感を目で見て、また実際に触っていただき、その存在感を感じていただきました。
マヂックコートインテリア
https://www.fukko-japan.com/products/magic-coat-in.html
MORART
https://www.fukko-japan.com/products/morart.html
ベネチアート
https://www.fukko-japan.com/products/venetiart.html
そして一行は歩いて「ノアビル」(白井晟一事務所)を横目に「聖アンデレ教会」(香山壽夫建築研究所)へ。
「聖アンデレ教会」(香山壽夫建築研究所)の外壁にはマヂックコート左官仕上げ HMパターン、内部には同じくマヂックコート吹付工法ゆず肌仕上げ、また祭壇にはベネチアートアンティークが採用されております。「聖アンデレ教会」の竣工は1996年、竣工から実に30年近く経過しておりますが、マヂックコートはいまだ健全な状態を保っております。当日は残念ながら葬儀を執り行っていた関係で内部をご覧いただくことはできませんでしたが、建物とマヂックコートのエイジングがマッチし、建物全体の雰囲気はとても素晴らしいものでした。先に赴いた「麻布台ヒルズ」から「聖アンデレ教会」、その対比はまさにフッコーの今昔物語のような見学ルートです。
「聖アンデレ教会」の隣には、レーモンド設計様の作品「日本聖公会聖オルバン教会」もあり、弊社の製品は納入されておりませんが、レーモンド建築の木造ディテールの美しさにも触れ、そして一行は「芝教会」へと移動いたます。
参考:FUKKO MEDIA マヂックコートHM誕生秘話
フッコーの原点はここから 「ハナエモリビル」
マヂックコート
https://www.fukko-japan.com/products/magic-coat.html
続いては「日本基督教団芝教会」(アトリエG&B)です。見学当日は実際に設計を担当され当時代表であられた伊藤様(現:ハイデザインスタジオ代表)にご同行いただき、細部にわたってご説明いただきました。教会の聖堂内部には当社のデュッセル標準L仕上げが全面に使用されており、天井わきの小窓からさす陽の光に照らされた「デュッセル」の表情はとても美しく、また聖堂の空間全体に施工された「デュッセル」は、柔らかく聖堂を包んでおりました。空調設備やその他の細かいおさまりやディテールについても皆様から伊藤様へ熱心にご質問されており、この度ご案内いただきました伊藤様には心より感謝申し上げます。
さて、余談ですがさきほど横目に通過した「ノアビル」を設計された白井晟一先生の作品のひとつでもある「松涛美術館」。その「松涛美術館」の内装で白井晟一先生のイメージを形にすることで生まれた製品が「デュッセル」(Dussel)であり、いまだにその仕上がり感を好む建築家は多く、根強い人気のある製品のひとつです。
参考:FUKKO MEDIA
建築家 白井晟一とともに「Dussel」
デュッセル(Dussel)
https://www.fukko-japan.com/products/dussel.html
次に見学場所を東京駅に移し「常盤橋タワーTOKYO TORCH」(三菱地所設計)へ。共用部のベンチに人研ぎテラゾー「PRIMO」、エスカレーターの吹き抜け空間に「MORART」が使用されております。床仕上げの規格テラゾーと意匠性を合わせた人研ぎテラゾー「PRIMO」のベンチは、連続した曲線を表現することが規格テラゾーでは難しいために「PRIMO」が採用され、また吹き抜け大空間の「MORART」など、非常に難易度の高い現場であり、施工時のエピソードを交えながらご案内いたしました。
そして一行は東京駅構内「グランスタ八重洲北」、内藤廣建築設計事務所がデザイン提案された黒塀横丁へ。大多数の方々が行き来し利用する駅構内の飲食店街で求められるのは耐汚染性と耐久性です。こちらで採用された「MORART」は、特殊セメントと弾性樹脂をハイブリッド化し、家具や什器、床・壁・天井、そして水回りにも使用できる耐酸性・耐摩耗性にも優れた、左官の常識を超えたアーティスティックモルタルです。店舗什器はもちろんのこと、住宅から商業施設、また宿泊施設のバスルームなど、数多くの用途、プロジェクトにご採用いただいております。モノトーン系の色合いが人気ですが、藍色や弁柄などの発色もとても美しいため、デザインや用途にとらわれない自由な発想でお使いになれる製品です。こちらのプロジェクトでは新築時の白を基調としたガラス建材の上へ特殊な下地処理を施し、目地を活かした墨色の「MORART」に塗り替えられ、落ち着いた雰囲気を演出しています。
MORART
https://www.fukko-japan.com/products/morart.html
PRIMO
https://www.fukko-japan.com/products/primo.html
見学会最後の訪問先は「国立オリンピック記念青少年総合センター 国際交流館」(坂倉建築研究所)。明治神宮、代々木公園とこの施設を一体と捉え、緑のつながりを重視して計画された同施設、外壁にはFMXが採用されておりますが、昨年の国際交流館内部改修工事の際に、元の仕上であったイタリアンスタッコを再現するために弊社に依頼があり、ベネチアートシリーズをベースに特注パターンで再現いたしました。比較的大きい空間の丸柱に施されたベネチアート特注仕上げは、パターンの重なりによってアクリルペイントにはない奥行き感が生まれ、パターンが表現しづらい丸柱でも美しく仕上がっております。
ベネチアート
https://www.fukko-japan.com/products/venetiart.html
FMX
https://www.fukko-japan.com/products/fmx.html
そして見学後は弊社の東京営業所、駒場ギャラリーへ!
東京大学のキャンパスを借景に弊社の歴史をはじめ、当日見学された製品を代表作品を例にご紹介いたしました。
弊社の代表的パターン「マヂックコートHM」がどのように生まれ、またそのパターンはどのように作られる(施工されて)のかを弊社営業によるサンプルボードへの実演を間近で見ていただき、また難易度の高い特殊塗装イタリア磨き仕上げ「アンティークスタッコ」を皆様に実際に施工していただきました。
生の材料に触れていただくことで、建築でのイメージがさらに沸いたことかと思います。
そして人研ぎテラゾー「PRIMO」にも挑戦!
皆様にはワークショップとしてターコイズやアメジスト等を使った人研ぎテラゾー「PRIMO」のコースターを各々のデザインで作成していただきました。
この度の企画「フッコー仕上げ見学ツアー」によって、左官材・特殊塗装=”塗り物”の良さを身近に感じ、製品の奥深さを知っていただくことで、これからの建築デザインへの良い参考にしていただけたら幸いです。
私どもフッコーでは、今後も皆様へ見学ツアーを企画してまいります!
「フッコーの現場を見てみたい」
「実際に触れてみたい」
などフッコーの”壁”の見学をご希望の方はご遠慮なくお申し付けください!
皆様からのお問い合わせを心よりお待ちしております!
フッコーホームページ
https://www.fukko-japan.com/
ベネチアート
https://www.fukko-japan.com/products/venetiart.html
FMX
https://www.fukko-japan.com/products/fmx.html
MORART
https://www.fukko-japan.com/products/morart.html
PRIMO
https://www.fukko-japan.com/products/primo.html